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シナプス前抑制は、筋活動を作り出すのと同等だった…

筋の感覚神経から脊髄への信号伝達が、運動の局面に応じてシナプス前抑制により変化していることが伺えましたが、何が、このようなシナプス前抑制の変化を起こしているのかを解明するため、神経終末の逆行性電位(ADV)の時間変化を詳しく解析されました。

手首伸展時のシナプス前抑制の低下は、筋活動の開始とともに始まり、手首が動き始めた時刻とは関係がないことが分かりました。筋活動の開始は脳からの運動指令の始まりを表し、手首の動きの開始は皮膚や筋の感覚受容器の活動増加の始まりを表します。



つまり今回観察されたシナプス前抑制の変化は、運動の結果として生じる末梢の感覚情報からではなく、筋活動を作り出すのと同等の脳からの運動指令によって引き起こされたということで、脊髄内のシナプス前抑制の調整が脳内の運動指令中枢によって制御されていることが明らかとなりました。

D.R.Eマシンの腕マシンでの反復動作の直後に歩行動作が改善されていたのも伺えますね。


巻肩

私達の身体は、250〜300種にして37兆個の細胞から出来ています。このうちの約6割以上が赤血球ですが、いろんな状況に応じて様々な役割を果たし、1人の人間を形成しています。例えば病気になると言うことは、この細胞を傷つけていることになりますが、細胞は、ストレスや異常な条件にさらされながら生き延びています。

残念ながらいつまでも耐え切れる細胞ばかりではありません。歳を重ねる毎に骨格を支える筋細胞は徐々に減り衰え、姿勢を保つのも難しくなって来ます。鏡の前で自分の姿勢を写して見ると、最近、背中が丸まってきた。肩が丸まってしまいなかなか改善できないと心配されている方もおられることでしょう。カウンセリングに訪れる方々の中には、腕を挙げると肩が痛い、肩が痛くて腕が挙げられない、腕が挙がらないのだけれども五十肩かしら?といった声もよく耳にします。

巻き肩の原因は、コロナ自粛で増えたデスクワーク等で、手のひらが下を向いた状態が長時間続いてしまうと肩が内側に捻れて固まってしまいます。肩が内側に捻れてくると、胸の前の小胸筋や脇の前鋸筋が縮んでしまい、余計に肩甲骨を外側に引っ張ってしまいます。

肩甲骨が外側に引っ張られると、肩甲骨の内側の菱形筋が上手く伸び縮みできず、余計に巻き肩や猫背になってしまいます。これを予防改善するには、小胸筋や前鋸筋のバネの機能を回復させて、前鋸筋と菱形筋を日常生活に必要とされる少し上のレベルにまで鍛えてあげると、巻き肩や猫背は改善してきます。

前鋸筋がバネのような機能を取り戻すことで、呼吸のしやすさまで実感出来ます。



前鋸筋は、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうちの1つ。 肋骨(第1~第9)腱弓を起始とし、肩甲骨と胸郭との間を後上方に走りながら、肩甲骨に停止しています。 肩甲骨を前外方に引き、肩甲骨が固定されていると肋骨を引き上げる作用があります。



前鋸筋のバネのような機能を回復させると、肩甲骨の外転と肩甲帯の中でも最も広い可動域を持つ肩甲上腕関節が安定するメカニズムとなっていますが、肩甲骨のアライメントを外的要因からだけで観察して、肩甲骨が外転しているからという観点だけで肩関節周囲の筋肉や前鋸筋中心の予防改善策では、なかなか肩の痛みや違和感に良い変化を及ぼすことが出来ません。

第1~2肋骨から起始し、上角から肩甲骨内側、肩甲骨上角に付着しています。第2~3肋骨起始し、肩甲骨内側縁へ付着します。第4~9肋骨から起始し、肩甲骨下角に付着しています。前鋸筋の作用は様々な筋肉との連続によって肩甲骨の外転に作用し、僧帽筋と協同して胸郭を引き付け安定させる役割になりますので、上位・下位の胸郭ポジションをしっかりと確認し、胸郭の後方回旋からくる前鋸筋の短縮も考えて運動処方していくと良いでしょう。

脇の下、肋骨から肩甲骨の内側についている前鋸筋は、意識して動かせることは少ないかもしれませんが、肩甲骨の動きに関わっていますので、前鋸筋の動きが硬くなると肩甲骨が外へ離れ前に入る、いわゆる巻き肩や猫背になる可能性があります。

また、前鋸筋の動きの硬さは肋骨の動きにも影響するので、呼吸が浅くなることも考えられます。呼吸が浅いと、副交感神経をうまく働かせられないまま身体を緊張させる交感神経が優位の状態になりやすくなりますので、血流が悪くなったり、肩こりや疲れをより感じているかもしれません。

巻肩予防改善のためのやまおく体操
片膝内捻り状態振り子体操
片膝内捻り上体振り子体操は、腹斜筋群・体幹を刺激します。特に腹斜筋群を大きく収縮、弛緩、 伸張をリズミカルに繰り返すことができるトレーニングになっています。



腹斜筋群は、一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋と比べて普段から意識していない筋群であるため、片膝内捻り上体振り子体操を行いながら腹斜筋の使い方もマスターしていきます。
身体の軸を、しっかりキープ出来るようになるため、正しい姿勢の保持だけでなく、腰痛、背部痛の予防に効果的です。

壁カラダ内捻り体操
壁カラダ捻り体操は、胸の筋肉・大胸筋に対して集中的な効果のあるトレーニングです。なかでも大胸筋内側に有効です。大胸筋内側が、刺激されると、いわゆる、胸の谷間が、はっきりとし、見た目にメリハリのある胸わまりになります。



また、壁カラダ捻り体操は、自宅系トレーニングでは、数少ない大胸筋内側のトレーニングとも言えます。

あぐらストレッチ体操
あぐらストレッチ体操は、具体的には、股関節のインナーマッスルの腸腰筋、臀部の大臀筋、中臀筋、小臀筋、大腿のハムストリングと呼ばれるハムストリングと呼ばれる大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、、太腿四頭筋、内転筋の弾力性が、増して、股関節をスムーズに動かせるようになります。



股関節が硬いままでは、可動域も制限され、身体の動きが鈍くなりがちです。そのため代謝の低下により、身体が、冷えて、お尻やお腹まわりに脂肪がつきやすくなります。あぐらストレッチ体操で、筋肉を刺激し、関節の動きを良くすると、血行が良くなります。下半身太りやむくみ、冷え、ぽっこりお腹、猫背などを改善できます。

これらのやまおく体操を使った巻肩予防改善のためのやまおく体操プログラムは…
片膝内捻り状態振り子体操壁カラダ内捻り体操を交互3~5周行うことですが、最初にあぐらストレッチ体操で左右差が無いか?動作の確認をしてみましょう。それから、片膝内捻り状態振り子体操壁カラダ内捻り体操を交互3~5周行い、もう一度あぐらストレッチ体操で左右差が無いか?動作の確認をしてみましょう。

もし左右差が少なくなっていれば、(片膝内捻り状態振り子体操壁カラダ内捻り体操)を交互3周行なって、あぐらストレッチ体操を1周行うプログラムを3~5周行うプログラムに変更してみましょう。

また、出来そうでしたら、肘落とし(ダンベル)を試してみてください。前鋸筋のバネのような機能を回復させることで、巻肩や猫背だけでなく、肩甲骨の外転と肩甲帯の中でも最も広い可動域を持つ肩甲上腕関節が安定することでしょう。


初志貫徹

僕のことを知らない会員さんが、少しおられましたので、テレビに出ていた頃の映像を流してみました。
身体に関する質問より、この頃より若く見えるは何故⁈と聞かれる方が多かったのには、笑ってしまいました。空いてる時間帯にマシンをバラして磨いていると、差し入れをお持ち下さる方まで、おられたり、何とも幸せな空間ですね。
マシンの動きが見違える程、良くなり、23年物の割には、驚かれてましたね。



小雪の舞う中、同じ距離・同じ速度で歩いても疲れない「やまおく式ウォーキング・早歩き」講座を開講させて頂きました。
惜しくも50名集まりませんでしたが、目からウロコ⁈大変喜んで頂けました。次回は、7月となりますが、それまで、早歩き散歩にて筋持久力を高めておいて下さいね。鍛えていても減るであろう筋肉量を増やすための試みを取り組んでみたいと思います。ある大企業の役員さんより、嬉しいことに長年フィットネスを通じて子供からご高齢の方々にまで地域貢献しているジムとお褒め頂き、講演依頼まで頂きました。



やまおくジム仙台店の谷地さんが、元佐倉店の藤谷さんのように独立するため、今月一杯で、やまおくジムを卒業されます。
コロナ禍で苦しかった時期に、やまおくジム仙台店のみなさんを僕の代わりに幸せな気持ちにさせてくれて、本当にありがとうございました。今後は、これまでと違った新しい関わりを持っていきたいと思います。それとご結婚、おめでとうございました!必ず成功して、家族を幸せな気持ちにさせてあげてくださいね。



今週は、物凄く来館者数が増え、活気ある毎日でした。
次回は、手塩にかけ育てて来た講師達が代わり番子に特別レッスンをして頂く日を設けていきます。お弟子さん達の活躍の場を提供しつつ、会員さんへの新鮮なサービスになればと思います。次回お会いするまでに力を付けておくね!と意欲を掻き立てられると嬉しいです。ところで疲れて帰宅すると、お部屋に生花があると癒されるのは、何故なのでしょう?音楽や200インチスクリーンのシアターの電源を落とした120坪の静かなジムには、いっぱいの植物を置いていますが、ここも何だか空気が、違う気がします。鍛える場でもあり癒される、そんな空間を更に創造して参ります。


運動の局面に応じたシナプス前抑制の変化

国立精神・神経医療研究センター神経研究所モデル動物開発研究部の関和彦部長と窪田慎治室長は、手首の屈曲伸展運動をするサルの脊髄を対象とした研究では、具体的にサルの手首運動中に固有感覚の神経終末に生じるシナプス前抑制の大きさを測定されました。

情報は神経から神経へと伝達されることで神経系内に広がります。シナプス前抑制が強まることは、信号伝達が抑制されて情報の広がりが抑えられることになり、シナプス前抑制が弱まることは、抑えていた情報が広がりやすくなるということを意味していることは、前述しました。



シナプス前抑制の大きさは、運動中いつも一定なのではなく、位相によって変化していることが観察されました。具体的には、手首伸展時には動的運動(AM)だけで一瞬小さくなり、一方、手首屈曲時には持続的に大きくなることが分かりました。つまり筋肉が活動、すなわち収縮する時には、筋肉の状態に関する信号が次の神経細胞に伝わりやすく、逆に筋肉が引き延ばされる時は、その状態が次の神経細胞に伝わりにくくなっていたということです。

この結果は、筋の感覚神経から脊髄への信号伝達が、運動の局面に応じてシナプス前抑制により変化している証拠であると考えられました。


シナプス前抑制の大きさを観察する

興奮性のシナプス伝達をするシナプス前ニューロンの神経終末部にシナプスを作り、そこからの興奮性物質の放出を減少させて、興奮性シナプス伝達効果を抑制する仕組みをシナプス前抑制と言います。シナプス前ニューロンとは、赤丸のところです。



運動する時に発生する手足の感覚信号が、シナプス前抑制という仕組みによって調節されていて、この調節によって運動が巧みにコントロールされていること、つまり身体運動の制御における感覚情報の役割が、少し解明されたと言うことを前述しました。

国立精神・神経医療研究センター神経研究所モデル動物開発研究部の関和彦部長と窪田慎治室長は、手首の屈曲伸展運動をするサルの脊髄を対象とした研究では、具体的にサルの手首運動中に固有感覚の神経終末に生じるシナプス前抑制の大きさを測定されました。情報は神経から神経へと伝達されることで神経系内に広がります。シナプス前抑制が強まることは、信号伝達が抑制されて情報の広がりが抑えられることになり、シナプス前抑制が弱まることは、抑えていた情報が広がりやすくなるということを意味しています。



神経終末の電位の高さは、シナプス前抑制の強さを示すことから、シナプス前抑制の測定には興奮性試験を用い、神経終末の逆行性電位(ADV)を観察評価に用いられました。実験では、運動中のサルの脊髄にある手首伸筋の感覚神経終末を微弱に電気刺激して、手首伸筋の感覚神経束から逆行性電位を測定しています。

ADVが大きいとシナプス前抑制も大きいといえるため、これが運動中に変化するのであれば、サルが運動の局面に応じた感覚情報の調整をしていることが考えられます。脊髄刺激で誘発されたADVの大きさが運動遂行中にどのように変化するのか、動的運動(AM)、筋力維持(AH)、受動的運動(PM)に分けて解析されていました。


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