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早歩きのススメ Ⅹ

食欲をコントロールするネットワークの1つに消化管ホルモンがあります。

消化管ホルモンには、胃から分泌される食欲促進ホルモンのグレリン、
腸管から分泌される食欲抑制ホルモンのPYY・GLP-1があります。

満腹感や空腹感は、これらのホルモンの影響を少なからず受けています。

PYY・GLP-1は、運動することによって分泌が促されます。

最大酸素摂取量が得られる強度の運動を100%とすると、
50%強度で60分運動したところ、PYY・GLP-1の分泌量が増し、
食欲が抑制されることが分かっています。

60分の早歩きによって、食欲を抑制することが出来ます。



定機器の無い運動指導の現場では、主観的運動強度RPEを用いると良いです。

杉谷泰造さんと、大西徹平くんを比べたことがあります。
馬の競技では、同じ競技であるのに、
杉谷泰造さんの方が、指標が低かったのに対して、
同じトレーニングでは、大西徹平くんの方が、指標が低かったのです。

馬術競技での出力を下げるために、大西くんには、ある時期厳しいトレーニングを課して
スケールを少し大きくしたところ、馬術競技での指標が下がりました。

馬術の上手い下手を口で説明するのが難しいので、この指標を揃えることで、
経験は、抜けないにしろ、技術面は、ある程度揃うのでは無いかという仮説からです。

また、トレーニングでは、杉谷泰造さんは、追い込むのが好きな性格ですので、
シーズン中は、普段の約6割で行なって頂くようにしたところ、
コンディションが崩れなくなったのと、我慢度が高いために傷つけていた糖代謝の部分も
安定させることが出来ました。恐らく遺伝で糖尿の気があったかと思います。

同じ運動であっても、ヒトによって感じる運動のキツさが、異なりますので、
この指標を見なくても、顔色で伺えるようになると良いですね。


早歩きのススメ Ⅸ

運動後のカラダの安静状態に戻すために酸素の消費がしばらくあること、
そのためにエネルギーとして脂肪も利用されている仕組みのことをEPOCと言います。

強度が強すぎると負債の多くが、
カラダのサビでもある活性酸素になることもありますが、
歩くでもなく、走るでもない、程よい強度での運動の方が痩せるのであれば、
早歩きもやり甲斐がありますね。



消費量が同じであれば、体脂肪も同じように減ると思われますが、
歩くより走る方がウエストサイズが細くなっていました。

同じ消費の運動でも歩くより早歩きの方が、
運動後のリカバリー時にも消費が高いと推測される図です。


早歩きのススメ Ⅷ

早歩きを健康生活に取り入れる最大の目的は、持久的能力の向上。
長時間動き続けられるカラダ作りです。



毛細血管のお掃除をしたり、
筋細胞の酸素の取り込みを良くするための動静脈酸素較差を強化したり、
脂肪燃焼を引き受けるミトコンドリアを増やしたり、
カラダのサビにもなる活性酸素の除去効果があります。


早歩きのススメ Ⅶ

主観的運動強度をご存知でしょうか?

指標6の安静から指標20のもうだめまでのレベルがあります。
ヒトの感覚は、やや心拍数と同じ程度だということが数値で対応できます。
早歩きは、ラクに感じるレベル。ジョギングよりやや低い設定になります。



キツく感じるとオーバーペース。
長く動き続けられるという目標が達成出来ない。
少し物足りないかな?ぐらいが、丁度良いのです。


早歩きのススメ Ⅵ

低ハードル!
持久力を付けたり、筋力をつけたりするには、スポーツクラブに通って、
特別なトレーニングプログラムを実施しなくてはなりませんが、
誰もがそう簡単に挑める訳でもありません。

自力で立てる程度の方であれば、
ゆっくり歩く程度でしたら、誰でも取り組めるでしょうし、
通勤やお散歩で日常的に歩ければ、早歩きも可能かと思われます。

そのついでに起伏のある小山をコースに混ぜると距離・時間を伸ばすことも可能です。

スタートするのに特別な決意は必要ありませんし、途中でペースを落としても構いません。
体力に自信がなくても、今日から始められます。



コレは、運動強度とエネルギー源の関係です。

安静時から運動強度60%くらいまで
脂質がエネルギーとして利用される割合は、約半分。

それ以上になると糖質が優位にエネルギーとして利用されます。


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