ホームブログ脳・神経ある痛みを脳波をコントロールすることで解消してみる⁈

ブログ

ある痛みを脳波をコントロールすることで解消してみる⁈

前回、迷走神経を刺激することで、多くの疾患との関連性が高い慢性炎症の予防や抑制につながる可能性について述べましたが、文献を色々と調べてみますと痛みと脳波についての研究は、数多くあります。この度、ちょっと興味を示したのは、神経痛の根底にある異常な脳波を制御する方法で痛みを解消出来るか⁈を試した研究のお話です。

被験者に脳波検査用のヘッドセットを装着させて脳波の動きを可視化し、被験者が、リアルタイムでチェックしながら脳波のコントロールを練習する仕組みとなっています。まるでゲームのようなシステムですが、この作業にリラックスするコツなどを教えて、脳波を変える手助けを横から助言します。この臨床試験では、眼の角膜が慢性的に痛い症状を持つ患者4人を4週間かけて20回のセッションに挑戦させました。



その結果、4人中3人が、治療5週間後のフォローアップにて、劇的に痛みが低減したと回答したのです。ひょっとするとさらに研究が進めば、いつの日か⁈投薬・刺す・切るなどしなくて良くなるかも知れない。また強力な鎮痛剤として知られるロキソニンやカロナールの代替品になるかもしれません。



脳の他の部分に情報をどのように伝えているか⁈、特に痛みに関する知覚運動皮質への伝達が、視床の変化に関連していると考えられています。例えば、慢性的な痛みを感じる患者の脳波には、ゆっくりなθ(シータ)波、低いα(アルファ)波、速く高いβ(ベータ)波という特徴的なパターンが見られるのだそうです。

この異常な脳波を正常に正すよう直接働きかける治療法みたいなものが無いのだろうか⁈という疑問から、この度の研究に行き着いたそうです。厳密には角膜神経の慢性的な痛みの原因はハッキリ分かっていませんが、脳波の制御で痛みを低減するこの仕組みは、初期臨床試験では成功といえるかも知れませんね。

まだまだ症例が少ないので、プラッシーボ効果の気の所為⁈と言われるレベルかも知れませんが、これが慢性的な痛みの新たな治療法、または解消法となることを期待しております。


一覧に戻る

お問い合わせ・お申し込み