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やまおく体操を使った養生法 〜疲れと取り除く〜

養生訓の養生思想の主なものは、気の考え方を重視し、自分の体は自分で養生し、病気に ならないように予防し、心身の健康を保つ責任は自分自身にあるということです。養生訓の内容は、身体の養生と心の養生を結合させて具体的に説いています。

養生のコツ
・怒りや心配事を減らして心を穏やかに保つ
・元気であることが生きる活力になるのでいつも元気でいる
・食事は食べ過ぎず、毎日、自分に合った適度な運動をするのがよい
・生活の中で自分の決まり事をつくり、よくないことは避ける
・病気になってから治療するのではなく、病気にならない努力をする



養生の術は、つとむべきことをよくつとめて、身をうごかし、気をめぐらすをよしとす。 つとむべきことをつとめずして、臥す事をこのみ、身をやすめ、おこたりて動かさざるは、はなはだ養生に害あり。 久しく安坐し、身をうごかさざれば、元気めぐらず、食気とどこほりて、病おこる

今年の夏は、過去126年で最も暑いと言われ、身体や心の消耗が激しかったと思われます。そこで、今回は、やまおく体操を使った養生法をご紹介していきたいと思います。


物忘れの予防法

これまで物忘れの予防に良い方法をご紹介して来ましたが、脳の性格を上手く応答するだけではなく、脳に良い習慣を生活習慣として取り入れてしまうと、認知機能の衰えも穏やかになるかも知れません。



・週に2〜3回は、身体を動かす
・8時間程度の良質な睡眠を目指す
・バランスの良い食事を心がける
・水分補給で脳は活性させる
・お勧めした物忘れの予防法によって脳に刺激を与える
・人とのコミュニケーションで脳を活性化させる
・リラクセーションでストレス軽減させる
・音楽を楽しむ


覚えたいことを一晩寝かせる(睡眠)

寝る前に勉強すると、翌朝覚えていることがあります。記憶に睡眠は、必ず必要な過程となります。それは、睡眠の過程を経ないと記憶が定着しないからです。

寝ている間も脳の海馬は、一生懸命働いています。昼間のうちに頭の中に入ってきた断片的な情報や記憶を整理しています。断片的な情報どうしを組み合わせてその整合性をチェックしています。整合性が確認された情報が長期の記憶となります。



Psychological Scienceに掲載された研究によりますと、寝る前に勉強し、そのあとで寝て翌朝簡単に復習をした人は、勉強時間が短くなっただけでなく長期的な記憶保持力が50%向上したと言われています。これを睡眠依存性の記憶の定着と呼んでいます。

分子レベルから現象学的レベルまで得られている様々な証拠を見れば、睡眠中の記憶の再処理が、記憶が形成し最終的にはっきりと形づくられる際の重要な要素であるということには疑いの余地がありません。

学習後の睡眠は、間違いなく優れた方法となりますが、2回の学習時間の間に睡眠を取る方が優れた方法となります。一晩寝かせると脳が学習した内容をファイルに保存できるだけでなく、その情報にアクセスしやすくなるからです。また、翌朝に少し勉強することで、更に再現性が高まります。

良質な睡眠と少しの分散学習を組み合わせれば、本当に覚えたいことを記憶に留めるための最良の方法となるでしょう。


覚えたいことを再度繰り返す(復唱)

記憶には、短期記憶と長期記憶があります。短期記憶は、長期記憶に情報を保存したり、逆に長期記憶から情報を引き出したりするための一時的な保管場所のようなものです。短期記憶は、時間の経過や新たな情報が入ってくることで、すぐに忘れてしまいます。脳が本格的に情報を記憶するときに使うのが長期記憶です。

長期記憶の容量も限られていますから、脳は仕分けを行い、必要と判断された情報だけが、大脳皮質に送られて長期保管されます。この仕分け作業をつかさどっているのが、海馬です。海馬は、生命の存続に役立つかどうか、生きていくために不可欠と判断した情報だけを取捨選択して、長期記憶に送り込みます。ひょっとしたら学校の勉強は、いくら勉強してもなかなか身に付かない、覚えられないですから、生きていくために不可欠な情報と捉えられて無いかも知れませんね。

では、海馬に必要な情報と判断させるには、どうしたら良いでしょう?



Journal of Neuroscienceに掲載された研究によると、短時間の復唱によって、復唱した内容を覚えている可能性が格段に高くなるそうです。また、せっかく覚えた漢字や英単語を忘れてしまったとしても、その単語が脳から完全に消えてしまうわけではありません。思い出せなくなっているだけで、実は無意識の世界には保存されています。

記憶の定着のプロセスを速めることはできますが、それでも長続きするように記憶を蓄積するのは時間がかかりますから、例えば、単語を10個覚えてもらい経過をテストします。すると、4時間後には平均で5個くらいしか覚えていません。ところが一度すべて忘れてしまった後、同じ10個を覚えると4時間後にも平均7個ほど覚えていることがあります。学習を繰り返すことで、無意識の記憶が暗記を助けて、以前よりしっかりと覚えられるようになります。このように海馬を騙すことが、勉強における復習の効果です。



無意識な記憶の保存期間は1カ月程度といわれています。最低でも1カ月以内に復唱するようにします。脳科学的に最も効率的なのは、例えば、学習した翌日に1回目の復唱をします。その1週間後に2回目の復唱をします。更に2週間後に3回目の復唱をします。さらに1カ月後に4回目の復唱をします。

科目や単元にもよりますが復唱するスケジュールをこれ以上過密にして時間と労力をかけても、成果は、そんなに変わりませんでした。人によっては、3回の復唱で覚えられるかもしれないし、10回の復唱で覚える人もいるかも知れません。自分の傾向を知って、どれくらいのペースで復唱すると覚えやすいのか、勉強しながら自分の脳の傾向を確かめてみるのが良いでしょう。

僕は、このような海馬を騙す方法で、高校1年から3年まで英語で100点満点を取り続けることが出来ました。


覚えたいことを覚えていられるか予測する(自問自答)

Canadian Journal of Experimental Psychologyに掲載された研究によると、何かを覚えていられるかどうか?を自問自答するという単純な行為によって、実際に覚えている可能性が1.5倍になるそうです。

これは、例えば、自分がやりたいと思っていること、行動・意図・約束などを思い出す場合に当てはまります。

予測するというのはセルフテストと似ていますが、自分にクイズを出すと言うことは、学習プロセスを加速させるのに非常に効果的だと言われています。

例えば、覚えたい英熟語や英単語を何度も繰り返して読むことにより、海馬や前頭前皮質が刺激されます。 もちろん、その多くは短期記憶としてすぐに忘れてしまいますが、脳はその刺激を何度も受けているうちにそれはやがて海馬で長期記憶に変換され、大脳皮質などに移されます。海馬によるエピソード記憶の形成や索引付けが向上し、後でアクセスしやすくなるのでしょうね。



日常的な出来事や、勉強して覚えた情報は、海馬の中で一度ファイルされて整理整頓され、その後、大脳皮質にためられていくといわれています。 つまり私たちの脳の中で、新しい記憶は、海馬に、古い記憶は、大脳皮質にファイルされているのです。

自分に問いかけ、自分で答える。どんなことに対しても、まずは、本当にそうなんだろうか?と疑問に思うこと。それがたとえ学校の先生が言っていることだとしても、まずはじめに、本当にそうなんだろうか?と問いをおこし、なぜそういうことになるのか?、なぜそういうことをする必要があるのか?、それをやったらどうなるのか?、そのことを言ったのは誰なのか?など、様々な自問自答をし、自分なりの答えを必ず出すことです。

出した答えが正しいのか?どうか?は、後に自分で調べて確かめてみると良いです。このような習慣を身につけることだけで、物忘れを予防することが出来ますので、あることを覚えたい時は、後で覚えていられるかどうかを自問自答するようにしてみましょう。


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