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睡眠と肥満の関係

このところ健康コラムでは、睡眠と健康についてが続いていますが、実は、やまおくジムにご来館されている方々の中に、睡眠で困られて訪れるきっかけが出来た方々も少なくありません。

香川県の糖尿病による死者が人口10万人当たり約17人と全国的にも多い状況が続いてますので、運動指導者として気にしている部分が大きいのですが、これまでの数多くの研究でも睡眠時間と肥満の度合いとの間には、U字型(睡眠時間が長くても短くて良くない)関係があることが明らかになっています。



横軸に睡眠時間を縦軸にBMIを取ったグラフをご覧いただいても、統計的なデータですが、睡眠時間が長くても短くても肥満の指標であるBMI指数が高くなることが伺えます。

睡眠時間が短くなると肥満リスクが高まるメカニズムについては、少々個人差もありますが、睡眠食欲に関わるホルモンの変動、交感神経やストレスの影響、糖代謝の変化、身体の炎症反応の影響、エネルギー消費量の減少などの要因でも解明されています。

睡眠不足が肥満リスクを高める原因として最も有名なのは摂食ホルモンの影響です。摂食ホルモンは、食欲を増進させるグレリンと食欲を抑えるレプチンが、食欲や食行動に影響するホルモンです。同じ人でも睡眠時間が短くなるに従って血中グレリン濃度が上昇し、逆にレプチン濃度が低下しますので、実際に食欲も増します。また、たった数日の寝不足でも食行動に影響を与えるようなホルモン変動が生じることも知られています。



肥満のない健康な人を対象に、2週間に渡り9時間就床させる(最長9時間眠れる)時と、同じ人に2週間に渡り4時間しか就床させない(最長でも4時間しか眠れない)時で体重や内臓脂肪の変化を調べた研究があります。その結果、睡眠時間が短いときには長いときに比べて1日当たりの摂取カロリーが増え、体重増加は僅かでしたが、内臓脂肪が大きく増加することが分かりました。つまり体重計に乗るだけでは身体の奥底で進んでいる睡眠不足の悪影響は分からないと言うことになります。

ひょっとすると誰もが自分では気付かない程度の睡眠不足を抱えているかも知れませんから、睡眠不足を解消することで肥満リスクを低下させることができるかも知れません。自分で気付けない睡眠不足を潜在的睡眠不足と呼びますが、潜在的睡眠不足が怖いのは、問題点に気付いておらず、また自覚症状もないがゆえに、何年も何十年も同じ生活スタイルを続けてしまうことです。定期健康診断で肥満・糖尿・高血圧を指摘される前に、睡眠習慣をアプリなどを使って見直してみましょう。

睡眠時間が長くなると肥満リスクが高いメカニズムについては、今のところ分かっていません。肥満に陥りやすい人は、元々日常の活動量が少なく、座っている時間や横になっている時間も長いので、結果的に睡眠時間が長くなるのかも知れませんから、睡眠時間が長くなると肥満リスクが高いというよりも、生活スタイルが起因しているのではないかと考えられています。

また、睡眠時間と糖尿病、高血圧、うつ病、寿命などの様々な健康指標との間にもU字型関係が見られますので、何らかのメカニズムが存在していると疑われています。


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