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2週間寝たきりになると1年分の筋肉が失われる

人の身体は、体重の約4割を骨格筋が占めています。骨格筋は細長い筋繊維とその細胞間を埋めて束ねる結合組織から成り立ちます。

筋肉の中には筋束という膜の中に1本1本が糸状の数千の筋繊維が束ねられていて、その中に数100にも及ぶ筋原繊維が集まって構造されています。この筋束が集まって筋肉となり、腱を介して骨に付いています。筋繊維は、1本1本が1個の筋肉細胞であり、1本の太さは0.01~0.15mmです。この糸状の筋繊維が収縮することで力が発揮され、太い程強い力を発揮できるようになります。

筋原繊維の中には、筋節が直列に並び、その中に膜で覆われたたんぱく質のアクチンとミオシンという物質がそれぞれフィラメントと呼ばれる組織を構成します。この構造によってアクチンフィラメントがミオシンフィラメントに滑りこむことにより筋節が短くなります。この状態を筋収縮と言います。

筋繊維自体は全て同じ性質を持っているわけではありません。強くて速く収縮するが、疲れやすい速筋(白筋)繊維、遅いが持続力に優れた遅筋(赤筋)繊維と収縮する速さによって分類されています。速筋繊維と遅筋繊維の中間的要素を持つFOG繊維もあります。速筋線維と同じTypeⅡ型でありながら、酸素を取り込む能力にも優れています。

また、身体の部位により速筋繊維が多い部分、遅筋繊維が多い部分があり、日本人にはそれほど差異は認められていませんが、人によって、速筋繊維と遅筋繊維の構成比の割合に違いがあり、例えばスポーツでの競技適正に影響があることがあります。速筋繊維、遅筋繊維のどちらかを鍛えるかによって、スポーツでの競技に合わせたトレーニング方法を変えることが出来ます。



筋量は加齢や日常の活動量と共に減少します。40歳を超えると鍛えていても年2%程度減少すると言われています。上肢と比べ下肢の筋量は、加齢に伴う低下率が3倍にのぼります。身体の前面の下肢骨格筋量が減少し、つま先が十分に上がらず、よくつまずくようになります。

先日、新型コロナウィルスに感染発症され、入院をされていた方が、カウンセリングにご来館されました。ベッドで2週間仰臥すると1年分の筋量が失われますが、退院後も普通に歩行が出来ないくらいになられ、このままでは寝たきりなる恐れがあるとのことでした。

先ずは、下肢を鍛えるお散歩を運動習慣に出来るよう、筋量を保持増進させる必要があります。


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