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脳はどのように心を生み出しているのでしょう?

これまで大体の方が、脳のこの部分です!と答えたことでしょう。それは、どの部分なのかな?と疑問に思われる方が多いからなのですが、そう答える方が答える側も楽で良いです。でも、この問いは、何処が心を生み出しているのか?ではなく、無数にある多様な情報処理方法について考えを巡らせて、お答えする方が、脳は、どのように心を生み出しているか?と言う問いの答えになるかと思われます。

そうなると、無数にある、もしくは、まだ誰も知らない方式を使ってお答えしなくてはならなくなるので、一言で答えられなくなります。きっと考える時間が長くなって、問いかけられた側も、ずっとずっと心の中で考え中となることでしょうから、みなさんが質問したのも忘れた頃に、お答えする時が来るのかも知れません 笑。

昔は、脳の実験と言うと、ネズミの脳の部分部分を破壊して試みたりしていました。それは、記憶している部分を破壊すれば、その行為が出来なくなる訳ですから、いわゆる残酷な研究なのです。しかし、その記憶は、脳全体に蓄えられているのか?、特定の部位に蓄えられているのか?わかりませんでしたから、どこを壊したか?ではなく、どれだけ壊したか?に相関していると考えられていました。

脳に広く分布するニューロンが同じような能力を獲得し、特定の機能に寄与し得るという考えが否定されたわけではありませんが、後に脳の破壊部位が異なれば記憶の消失がやや異なることも指摘されるようになりましたので、脳全体が完全に等能ではないことが分かるようになって来ました。最近の脳破壊実験は、記憶・知覚・運動など全てについて、ある特定の部位が特定の機能により大きく関わっていることから、残酷さも少しづつ変わっていったと言われています。



これを等能説から多能説に変わったと言いますが、脳の情報は、どこか一部のスイッチのオン・オフ的に処理されるのではなく、広範な複数の部位で統計的あるいは確率的に処理されています。学習による情報の形成や表現に関しては、脳は全体的あるいは広範囲に働いていて、個々の部位は、それぞれある程度異なる役割を分担しているものの、役割の違いは相対的にあり、常に脳全体の中で協調し合って働いているのです。

ニューロンは他の多くのニューロン(神経細胞)からの入力がなければ活動できません。1つ1つニューロンは、一緒に神経回路網を作る他の多くのニューロンとの関係の中でその役割が決まり、また全体の神経回路網は、その中のニューロンを協調させるよう働いています。所謂マクロからミクロまで跨って、全体と部分の自律的な協調こそが、脳の特性かも知れませんね。

また心とは、人が区別し命名したものですので、この部分関与していると簡単に言えないのは、こう言う理由からなのです。相関法でwhereを示しても意味が無いことも覚えておいてください 笑。

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